「カムアクロス 傘デザイン・コンペティション’23」結果発表

「カムアクロス傘デザイン・コンペティション’23」は、
これまでで最多の457作品の応募をいただきました。
まことにありがとうございました。

1月下旬から選考会を重ねてきましたが、意見がわかれることも多く
作品を選ぶことはたいへんでしがが、同時に楽しい時間でした。
ひとえに、すばらしい傘を考えていただいたみなさまのおかげです。ありがとうございます。

議論の末、今回のテーマ“こんな傘がほしい!”の強い思いと
わたしたちがぜひ作りたい!と感じた作品を選ばせていただきました。


【グランプリ】

「夜の散歩」
海老沢 莉桜 さん

作品コンセプト
夜の雨でも気分を明るく、楽しく歩ける傘をコンセプトに制作しました。
形のモチーフはステンドグラスで作られたランプシェード、デザイン全体のイメージは月で製作しています。傘の内側にLEDライトが内蔵されており、
スイッチひとつでまるでランプシェードのように光る仕様になっています。また、傘の生地は月の黄色部分以外は半透明の素材を想定しており、
昼間でも楽しく使えるように反射で地面や人物に色が映るようにしています。

選考コメント
なにかをモチーフにした作品は数多くありました。
その中で、作者自身の「こんな傘がほしい!」という思いが伝わったのがこちらの作品でした。
私たちが「こんな傘を作ってみたい!」ともっとも感じたこともグランプリに選んで理由。
雨の日だからこそのおしゃれが楽しめそうです。

【優秀賞】

「Φ20」
藤田 絃生 さん

作品コンセプト
私が小学生の頃、傘を限界までねじることで細くして、
まるで棒のようになった傘を 持ち歩いている友達に憧れていました。
私も細くてかっこいい傘を持ち歩きたい。
そこで、持ち手の太さである直径20㎜の棒状に
全てを収納することを目的とした 傘を提案します。
露先と下はじきの形状が全体と馴染むように。
留め具を幅広にす ることで、生地の広がりを防ぐようデザインしました。
傘全てのパーツが一直線に なることで、美しく収まります。

選考コメント
なぜ、このようなスリムなデザインの傘がほしいのか。コンセプトからたっぷり伝わってきます。
作者の藤田さんが考える“かっこいい”がこれ、なんですよね。
ただ、スリムであることは強度が落ちることにもなります。
骨の数を減らすと細くできます。じゃあ4本骨で四角い傘にしたらどうか。なんかかっこよくない。
この傘はかっこよくないと。そんな話し合いを続けながら、現在製作中です……。

【優秀賞】

「紐傘 HIMOGASA」
中澤 美深 さん

作品コンセプト
“こんな傘がほしい!”というテーマに対し、私は普段傘を使うにあたっての悩みを思い返しました。
車などに乗る際、荷物を持った状態で傘を回して閉じるのはひどく難しく感じます。
そこで日本古来の袋物「巾着」からアイデアを得て、“紐でしぼって閉じる傘”を考案しました。
内側の紐を引っ張るため、ごく簡単に手を濡らさずに傘を閉じることが可能です。
傘生地や紐のデザインは「和モダン」をテーマにしており、日常使いやすい
おしゃれな傘を目指しました。


選考コメント
芸術を学ぶ高校の授業の一環として応募いただいた作品のひとつ。
プロダクトについてのアイデアは、プロダクトのみに視点が向けられているものが多いのですが
こちらは、ファッションとしてのデザインと道具としてのデザインがうまく融合していて
心がときめきました。このアイデアをどれくらい具現かできるかが難しいところですが
チャレンジしたくなる、すてきな作品でした。

【アイデア賞】

「めんだコロコロ」
小池 凜さん

作品コンセプト
子供向けの傘をめんだこモチーフで作成しました。
傘の先端にコロコロがついているため、子供が傘を引きずっても削れることはなく、
コロコロするので引きずったまま移動ができます。
傘の先端を丸くすることで、 目に刺さったりして怪我をしないようにしました。 取手の先端が吸盤になっているので、 机にくっついて床に落ちづらくなっています。

選考コメント
私たちは普段、OEMも含めるとかなりの数の子ども傘をつくっています。
そんなこともあって一次審査から注目をあびていた作品です。
子どもが安全であること、親御さんが安心できること、そして楽しくって心躍ること。
子ども傘に必要な要素がたっぷり詰まっていると思います。

現在、受賞作品をもとにした傘を3月の中旬を目標に製作中です。
できた傘は受賞者のみなさまに贈呈いたします。
傘が完成しましたらホームページでもご紹介します。
「カムアクロス 傘デザイン・コンペティション’23」にご参加いただきましたみなさま
誠にありがとうございました。今後とも、カムアクロスをよろしくお願いいたします。